個人投資家が運用を行う際にやってはいけないこと

個人投資家が運用を行う際にやってはいけないこと

あわせて読みたい

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2020年3月は株式市場がコロナショックに見舞われました。ただ2021年に入ってから振り返ってみると、一時的に大きな下落があったもののその後はほぼV字回復といっていいほど株価は戻っています。

個人投資家と機関投資家は違う

個人投資家が運用を行う際にやってはいけないこと

(画像=Gajus/stock.adobe.com)

2020年上期における市場の動きについて日経平均で見てみると、1月17日の2万4,115円(場中)という高値から3月19日の安値1万6,358円(場中)まで約32%下落しました。しかし約3ヵ月後の6月8日には2万3,178円(場中)と底値から47%上昇し、6月30日時点でも2万2,448円(場中)と高値から9割以上は戻したことが分かります。またこれは米国市場においてもほぼ同様の動きです。

個人投資家が運用を行う際にやってはいけないこと

(画像=THE Roots編集部)

今回のように相場が波乱気味となってくると「今後の投資戦略をどう考えるか」が重要になります。その際に大切なことは「個人の投資家は機関投資家とは完全に分けて投資戦略を考える必要がある」ということです。

個人投資家と機関投資家の違い

機関投資家とは、個人投資家以外で投資をしている団体で、銀行や証券会社のように会社として株式や債券を運用する大口投資家のことを指します。機関投資家は「個人投資家と違って資金力がある」「将来性のある優良企業の株を長期的に運用することでリスクの少ない安定した運用を行う」などが特徴です。具体的には、以下が機関投資家に当てはまります。

  • 投資信託会社
  • 投資顧問会社
  • 生命保険会社
  • 損害保険会社
  • 年金基金など

さらに機関投資家には個人投資家にはない「ノルマ」があります。企業として「お客様に対し成果を出さなければならない」という責任を負っているところが、運用の結果はすべて自己責任となる個人投資家と異なる点ともいえるでしょう。

相場変動時に戦略を考えるのは機関投資家の役目

機関投資家は、顧客から資金を預かり、そこから手数料をとって運用を行います。さらに複数の運用会社同士でパフォーマンス競争にさらされていることから、たとえ相場がどのように動いたとしても最終的には対市場ではなく他の業者との比較で評価されることになるのです。そのためマーケットの動きを読み、細かくそのポジションを調整することは、機関投資家にとって極めて重要なことといえます。

個人投資家がやってはいけないこととは?

では、相場の急変時における個人投資家の立場や考え方のポイントとはどのようなものなのでしょうか。

個人投資家が運用戦略を考える必要がない理由

相場に関しては、長期目線で捉えることが重要です。そういった点から見ると、今回のコロナショックのような動きは微々たるものにすぎません。また相場の予想というものは、どれだけ優秀なアナリストであっても正確に把握することは難しく、過去においても大幅な市場の下落局面は何度も起こっています。

例えばオイルショックやバブル崩壊、ブラックマンデー、リーマンショックなど比較的短期間に株価が大きく下振れする局面はありました。しかし過ぎ去ってしまうと、そのような大幅の下落も長期目線で見ると一時的な下落局面でしかないことが分かります。そのため個人投資家がウィズコロナもしくはアフターコロナにおける運用戦略をどうすればいいかと考える必要はありません。

個人投資家が唯一考えるべきこと

上述の点を踏まえて個人投資家が唯一考えるべきことがあります。それは「絶対に慌てて売ってはいけない」ということです。企業年金連合会が2020年2月に発表した「確定拠出年金実態調査の結果(概要)」によると加入者の平均通算利回りは年率2.3%となっていますが、注目すべきなのは利回りが0%以下、つまり元本割れを起こしている人が1.2%もいることです。

この1.2%という数字を2020年10月末時点の企業型確定拠出年金の加入者約752万人に当てはめてみると「元本割れを起こしている人は実に9万人を超えている」という実態が読み取れます。確定拠出年金制度は、2001年に制定および施工された確定拠出年金法によって導入された制度です。しかし導入時から比べると日本株式と外国株式は、どちらも株価が大きく上昇しています。

個人投資家が運用を行う際にやってはいけないこと

(画像=THE Roots編集部)

この表を見ても途中の2008年にはリーマンショックもありましたがそれを乗り越えてさらに株価は上昇を続けています。そのため100%元本確保型のポートフォリオで運用していない限り元本割れを起こすことはないはずです。企業型確定拠出年金の制度加入後にポートフォリオを一切見直さず放置しておいたとしても株価の上昇に応じて資産も増えていくと考えるのが妥当ではないでしょうか。

それにもかかわらず元本割れを起こしている原因として考えられるのは「大きく下落した際に不安になって運用商品を売却し、それを定期預金などの元本確保型の商品に移し替えた」ということでしょう。相場が一番下落したときに売却して損失を確定してしまい、さらにそれを預金に移してしまったのでは、それ以降損失を取り戻すことはできません。

また売却しないまでも、それ以降のポートフォリオを元本確保型に変えることも控えるべきだといえます。もちろんリスク許容度は人によって異なるため、最初から100%元本確保型の商品を選ぶ人もいるでしょう。ただリスクのある資産で運用すると決めて運用商品を選んだのであれば、市場の下落に不安を感じたからといって安易に元本確保型へポートフォリオを変更することはするべきではありません。

個人投資家がむやみに元本確保型へポートフォリオを変更しないほうがいい3つの理由

では、なぜ安易に元本確保型へポートフォリオを変更してはいけないのでしょうか。その理由を見ていきましょう。

運用の三大原則の一つ「長期運用」から離れてしまう

運用の原則の一つに「長期で行う」ことが挙げられます。つまり運用商品をずっと持ち続けることが重要なことを再認識することが大切です。

長期投資では、金融資産を長期に渡って持ち続けます。一時的には利益が出なくても、長期的に見て収益を平均化すれば安定した利益を生み、さらに、複利効果や資産分散の効果により、収益の安定性を見込むことができます。

1966年~2005年における東証1部上場の時価総額による加重平均収益率のぶれ幅を見てみると、以下の表のようになることが分かります。

個人投資家が運用を行う際にやってはいけないこと

参考:一般社団法人 投資信託協会ホームページをもとに編集部作成

1年だけ見ると、年間に72%のプラスになる年もあれば、25%のマイナスになる年もあります。しかし、20年間保有し続けることで、マイナスの局面は消え、平均の収益率も10%を超えることが分かります。つまり、投資期間が長ければ長いほど、収益率は安定していくといえるのです。

次の一歩が踏み出せなくなる

保有している運用商品について「高いときにとりあえず売却し下がったときに買い戻せばいい」と考えいったん売却して利益を確保することを考える人もいます。たしかに理屈はその通りですが運用における人間の心理は非常に繊細です。一度運用から離れてしまうと再び運用を開始する際のタイミングや商品選定などで当初運用を開始したとき以上に考えこんでしまう可能性があります。

その結果、「次の一歩が踏み出せない」という状況に陥りかねないでしょう。一度ストップしてしまったことを再開するのが難しいことは、運用に限ったことではありません。ただ運用をストップしてしまうことで収益を得る機会を失うことは非常に残念といえるでしょう。

積立投資の恩恵が受けられなくなる

積立投資の考え方の根底にあるのは「ドルコスト平均法」です。この方法の良いところは、一定の金額で購入するため、高いときは少量、安いときに大量を購入することが自動的に行えることです。

投資信託商品で見るならば、運用の成果は「口数×価格」です。仮に毎月10,000円ずつ積立購入を行うとして、10,000円の基準価格の時に一口購入し、2ヵ月後にそれが6,000円に下がり、3ヵ月後に2,000円に下がり、5ヵ月後に6,000円に回復した際の合計口数は14.34口となります。その際の資産総額は8万6,040円となり、5万円の積立額に対して3万6,040円の利益が出ていることになります。

個人投資家が運用を行う際にやってはいけないこと

(画像=THE Roots編集部)

このように安い時に大量購入できることがドルコスト平均法の最大のメリットであるわけですが、運用をストップしてしまうとこのメリットを放棄することになり、安いときに大量購入することができなくなります。

せっかく運用に取り入れたメリットを自ら放棄するべきではありません。

カギは積立投資と安定と成長に分けた運用 

運用の基本は積立投資にあり、さらに安定運用や成長運用を組み合わせることであると認識することが大切です。まずは、「長期の積立投資で資産作りを行う」こと。そして「安定した収入が期待できる資産運用」、そして「長期で値上がりが期待できる運用」を行うことが運用のカギとなります。

個人投資家にとって最も重要なことは、マーケットの動きを読んだりそれに合わせて機敏に動いたりすることではありません。なぜならそのようなことはほぼ不可能だからです。最も必要なことは、自分が許容できるリスクの範囲内でポートフォリオを考えできるだけ低コストの投資信託で積立投資を続けていくことに尽きるでしょう。(提供:THE Roots

>>【無料小冊子】高所得者のための不動産投資バイブル

>>【年収900万円以上の方にお勧め】損をしない確定申告(不動産を活用した税金対策・資産形成)オンライン個別セミナー

【あなたにオススメ】
新型コロナ関連の給付金。それぞれの税務上の取り扱いはどうなる?
年収600万円を超えたら検討しよう!不動産投資で節税する方法
家賃収入があるときの「ふるさと納税」はアリ?
富裕層が高級車に乗る3つの理由とは?
不動産投資は賃貸管理が命!優秀な賃貸管理会社の4つの特徴

続きを見る(外部サイト)

zuu onlineカテゴリの最新記事