【トップに聞く不動産業界の今】MJ TOKYO株式会社

【トップに聞く不動産業界の今】MJ TOKYO株式会社

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特集『withコロナ時代の経営戦略』では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中での業界の現在と展望、どんな戦略でこの難局を乗り越えていくのかを、各社のトップに聞く。

売主と買主の双方の仲介役を務めるのはエンドユーザーであるお客さんのためになっているのか。MJ TOKYO株式会社を設立した原田智成さんは日本の不動産業界の仲介に疑問を抱き、3年ほど前に買主側を手助けする仲介手数料無料と値下げ交渉という独自のサービスを始めた。少しずつ成果が出てきたこの新規ビジネスと、もともと強みとしていた中古物件のリノベーション事業。伸びしろが大きいであろう2つを軸に、MJ TOKYOは今後も積極的に仕掛けていく。

(取材・執筆・構成=安田勇斗)

MJ TOKYO株式会社

(画像=MJ TOKYO株式会社)
原田 智成(はらだ・ともなり)
MJ TOKYO株式会社代表取締役社長
1982年東京都生まれ。

大学までサッカーに打ちこみ、卒業後に不動産会社で営業を担当。その後転職した不動産仲介会社で購入側と売却側の双方の立場を学び、2008年にMJ TOKYO株式会社を設立した。

お客さんの側に立つ新しい仲介サービス

――2008年に起業したきっかけは?

その前はサラリーマンだったんですが、もともと長くやるつもりはなくて、いつかは独立しようと考えていました。ちょうどリーマン・ショックの頃に、「今会社を立ちあげてつぶれなければ、その先も大丈夫だろう」と、そう思って会社を設立しました。

――当時からいろいろなサービスを展開していたのでしょうか?

最初は、住宅用の売買の仲介が中心でした。不動産屋は銀行から融資を受けるのが難しく、まずは少しずつ利益を積み上げていきました。それから1年ぐらいして自分たちのプロジェクトに融資していただけるようになり、仲介のほか、物件を買い取って再販する事業もスタートさせました。

それから実績を重ねて、3年ぐらい前に仲介手数料無料のサービスも始めました。不動産業界はまだまだ古い考え方が残っていて、自分は以前から仲介のやり方には疑問を持っていたんですよ。例えば海外の不動産だと、売主側と買主側の双方に仲介役がいるんですけど、日本は1社だけが間に立って双方の仲介役となっています。極端な話、売主と買主の両方から手数料を取る形になっているんです。

でもその仕組みだと、お客さんのためになっていないんじゃないかと疑問を持つようになって。それで買主側、お客さん側に立って仲介しようとこのサービスを始めたんです。

――仲介手数料無料は不動産業界で一般的なサービスなのでしょうか?

無料にしてくれるところはほかにもあると思いますけど、我々のように買主側の代理人として値下げ交渉をするところはあまりないですね。このサービスは3年ぐらい前に始めたんですが、2年ぐらい前から少しずつプロモーションして、ようやく1年ぐらい前からいくつか成約が出るようになりました。定着するまで時間がかかるかもしれませんが、成約したお客さんにはとても喜んでいただいていますし、今後伸ばしていきたいサービスの1つです。

――では、主力サービスである不動産の売買や仲介、リノベーション事業における強みは?

リノベーションに関しては自社の中古マンションのブランドがあり、特に力を入れています。欧米諸国の不動産売買では中古住宅が8割から9割と言われていて、一方の日本は約15%と大きな開きがあり、中古物件のマーケットはこれからどんどん成長していくと思っています。

我々の中古物件で他社と差別化できるところは、水回りと電気系設備の10年保証サービスがあるところです。基本的に2年保証が多いんですけど、自分たちはこれまで不動産業界で培ってきた経験や人脈を活かして、ほかの企業に協力していただき10年保証をつけさせていただいています。

MJ TOKYOが取り扱う物件例

MJ TOKYOが取り扱う物件例 (画像=MJ TOKYO株式会社)

コロナ禍で首都圏の中古マンションの在庫は2割減

――新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、その影響は感じていますか?

去年春に緊急事態宣言が出たときは、人が動ける状況ではなく、引っ越しなどができなかったのでかなり影響がありました。しかしその分、緊急事態宣言が終了してからは人の動きがすごく活発になり、自社物件も含め住宅がものすごく売れました。そのため、今は需要と供給のバランスが合っていない状態で、物件の在庫が少なくなっています。首都圏の中古マンションの在庫で言うと、1年前の20%減という状況です。我々はお客さんに販売するために物件を仕入れないといけないので、そこが課題ですね。在庫不足の状態はしばらく続くと思います。

――2021年1月に再び緊急事態宣言が発令されました。

去年のときと違って、あまり人の移動が減っている印象がないですし、宣言前と後での変化もほとんどないですね。会社も学校もあって、電車も混んでいますし、不動産業界にもダイレクトな影響はないです。もしかしたら商業系のエリアの不動産価格が落ちるかなと思ったんですけど、下がったのは一瞬で、すぐ戻りましたね。あと、直接関わっている部分ではないんですが、コロナの影響で業績が下がり、大きな物件を手放す企業も出てくると思います。

――会社として目指しているところは?

中古マンションのリノベーション再販事業は、まだブルーオーシャンの、伸びしろがあるカテゴリーだと思うので、まずはここで着実に結果を出していければと思っています。大手も参入しつつある分野ですが、先ほど挙げたような我々ならではの特徴を持った、お客さんに喜んでいただける物件をご提供していきたいです。目標は年間で100件ご提供することです。

それと、仲介手数料無料と値下げ交渉のサービスを世の中に広めて、買主さんのための仲介がもっとできればと思っています。最近では「家やすっ!」という自社サイトで、AIが自動的に物件のマッチング情報をメールにて随時配信するサービスを新たに開始しましたので、ぜひご活用いただければと思います。

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