【トップに聞く不動産業界の今】株式会社フロンティアハウス

【トップに聞く不動産業界の今】株式会社フロンティアハウス

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特集『withコロナ時代の経営戦略』では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中での、業界の現在と展望、どんな戦略でこの難局を乗り越えていくのかを、各社のトップに聞く。

横浜に本社を置き、アパートやマンションなどの収益用物件の開発・分譲を中心に、土地仕入や建築、販売、リーシング、さらには賃貸管理までをワンストップで対応する株式会社フロンティアハウス。賃貸マンションの入居者でも、マイホーム+投資のために購入できる「賃貸併用住宅」という画期的なビジネスモデルは、新型コロナウイルス感染拡大下でも反響を呼んでいる。1999年の会社設立から22年、フロンティアハウスが目指すのは、顧客との強い絆を築くことにより、親子3代にわたって関わり続ける「100年企業」だ。

(取材・執筆・構成=高野俊一)

株式会社フロンティアハウス

(画像=株式会社フロンティアハウス)
佐藤 勝彦(さとう・かつひこ)
株式会社フロンティアハウス代表取締役
1966年千葉県生まれ。中央大学大学院戦略経営研究科修了(MBA)。

1989年に新卒入社したマンションデベロッパーが1991年に経営不振により民事再生に。以降7年勤務し1999年に独立、株式会社フロンティアハウスを設立した。

賃貸入居者が購入者となる「賃貸併用住宅」

――最初に、株式会社フロンティアハウス設立のきっかけを教えてください。

大学を卒業して22歳から10年間、会社勤めをしていました。自分で会社を設立したのは、もともとはその会社が民事再生になったからです。1991年12月に民事再生となり、その後7年間、再生に向けてその会社に勤めました。1999年にメインバンクが、その会社の本社ビルを競売に出しました。会社に入社してちょうど10年、再生までの業務をやりきったこと、それと愛着があった本社ビルがなくなってしまったことを機に、会社を「卒業」して独立しました。

――設立当初はアパート・マンションなどの収益用物件の売買・賃貸の仲介およびビル管理からスタートし、現在では開発・分譲、土地仕入、建築、販売、リーシング、および賃貸管理などと幅広く事業内容を広げています。ここまでに至る経緯は?

不動産売買は、毎月必ず買ってくれるお客さんがいるわけでないですし、毎月必ず売ってくれるお客さんもやはりいません。そこで、会社設立当初から販売した収益用物件の管理業務を受託し、管理手数料を得て収入を安定させていました。開発や分譲なども設立当初から手がけたいと思ってはいたものの、実際に始めたのは設立して3年ほどが経ち、銀行から借り入れができるようになってからです。

――不動産業界における御社の強みや特長はどのようなものになりますか?

まず、当社は創業以来、収益用物件を取り扱ってきたため、収益用物件を開発する力が、他社より秀でていると自負しています。その代表作が賃貸併用住宅「アパルトレジデンス」です。例えば、100平米の2階建てが建てられるエリアとすると、そのうち52平米を2LDKにするなどして購入者自身が住み、24平米のワンルームマンション2戸を賃貸するような形です。この場合、延床面積の半分以上を居住用としているため、購入資金の借り入れを住宅ローンでやってくれる銀行が4、5行あります。アパートローンより金利の低い住宅ローンで返済しながら、賃貸できる部屋が2戸付いてくるわけです。

実際に購入していただいた例で、購入価格が4,200万円、金利0.6%の住宅ローンで返済額が月々11万4,000円という方がいました。ワンルームマンション2戸は、1戸6万5,000円で賃貸するため、月々13万円の家賃収入があります。つまり、住宅ローンの返済額が家賃収入で完全にカバーできてしまうわけです。しかも、住宅ローンですので万が一の場合には、団体信用生命保険で残債務の整理ができます。さらに、住宅購入後13年間はローン残債の1%が住宅ローン控除できるんです。

――お客様にとってかなり魅力的な内容ですが、どのような経緯で開発されたのでしょうか?

当社が現在約2,000戸以上を管理している賃貸ワンルームマンションの入居者が買える投資物件として開発しました。さまざまなデータから、入居者の平均年収は400万円~500万円、マンションの平均家賃は7万円~8万円ということがもともとわかっていました。その方々がアパルトレジデンスを購入すれば、現在のワンルームマンションの倍以上の広さに住めて、しかも家賃は賃貸収入でカバーでき、さらに住宅ローン控除まで得られるわけです。

アパルトレジデンス

横浜の三ツ沢上町にあるアパルトレジデンス。1階が2LDKのオーナールームで、2階に1Kの賃貸2戸が並ぶ(画像=株式会社フロンティアハウス)

顧客と濃密な絆を作る「100年企業」

――アパルトレジデンスの購入者は若い方が多いのでしょうか?

そうですね、実際近年は、不動産投資などに対するリテラシーが高い方が、若い世代の中でも徐々に増えてきています。アパルトレジデンスのお話をした際に素早く行動される方も多いですね。もちろん若い方だけでなく、お子さんが独立してご夫婦2人になり、今住んでいる家は広過ぎるから、という理由で購入される方々もいます。このような場合は、2戸ある賃貸用ワンルームの1戸だけを貸し出して、もう1戸はテレワーク用の書斎などとして利用されているケースもあります。

――新型コロナウイルス感染拡大による不動産業界、御社に対する影響は?

人の動きが止まってきています。例年1月~3月は、不動産業界は繁忙期となり、入学・入社に関わる引っ越しの動きが多くあります。しかし、今年は例年より4割ほど少ないですね。また、飲食業やサービス業の店舗が入居する店舗事務所などのビルへの影響は特に大きいです。2回目の緊急事態宣言を受け、クローズするお店も増えています。店舗事務所をオーナーさんに売却し、管理を任されている当社としては、そうしたコロナ拡大の影響が大きい店舗への支援に乗り出しています。

具体策として、まずは家賃の減額措置をオーナーさんに掛け合っています。しかし、もちろんオーナーさんにとっては、家賃収入は銀行ローンの返済原資となりますので、簡単にはいきません。そこで当社が、オーナーさんとともに金融機関へ出向き、金利のみの返済に切り替えるなどの交渉を行っています。金融機関でもこのご時世ですので、理解を得られることがほとんどです。こうして店舗、オーナーさん、管理会社の当社および金融機関の皆さんで、「この危機を乗り越えていこう」という取り組みをしています。平常時にはない新たな絆が、この局面でできつつあると感じています。

――今後の目標や、目標達成のためのアクションを教えてください。

当社は「100年企業をめざそう」を理念として掲げています。100年企業の意味するところは、当社の従業員にとっては子どもの代、あるいは孫の代まで、親子3代で当社に勤められる会社になることです。また、同様にお客様に対しても「親子3代」で関わることを目指しています。例えば、当社管理のワンルームマンションに入居された学生さんが、大学を卒業して社会人になれば、今度はややグレードアップしたアパートに入ってくれる。結婚してマイホームを購入する際にも、先ほどのアパルトレジデンスのような当社の物件を選択してくれる。さらには、お客様の投資リテラシーの成長によって、さらにグレードの高い収益用物件を購入してくれる。このように、賃貸マンション入居者の方々に、売買のお客様になってもらえるように、それを世代が変わっても続けていただけるように、そんな企業を目指しています。

また、現在新たな取り組みとしてWebマーケティングに力を入れています。不動産業界では取り組むことがなかなか難しかったMA(マーケティングオートメーション/マーケティング業務の自動化)やSFA(セールスフォースオートメーション/営業支援ツール)、あるいはCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント/ITを駆使した売上最大化への戦略手法)といったセールステックへの取り組みを率先して推進しています。2019年にはWebマーケティングチームと商品企画チームを新設し、プレスリリースなどをメディアやSNSなどを幅広く活用して展開しているほか、商品企画チームでは、お客様のニーズに沿ったオリジナリティの高い賃貸併用住宅、ライフスタイルやライフステージを追求しています。

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