確定申告の青色申告と白色申告の違いは? どっちを選んだほうがいい?

確定申告の青色申告と白色申告の違いは? どっちを選んだほうがいい?

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確定申告の時期になると、よく耳にするのが「青色申告」と「白色申告」という言葉だ。しかし中には具体的にどのようなものなのか、何が違うのかよくわらないという人もいるだろう。そこで今回は、青色申告と白色申告のそれぞれのメリット・デメリットや申告方法の切り替え方について解説する。

確定申告の青色申告・白色申告に関するQ&A

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(画像=PIXTA)
Q


青色申告って何?

青色申告とは、正規の簿記の原則に従った記帳を行う必要があるなど、複雑な手間がかかる一方で、最大65万円の特別控除などのメリットがある制度のことである。

青色申告とは、正規の簿記の原則に従った記帳を行う必要があるなど、複雑な手間がかかる一方で、最大65万円の特別控除などのメリットがある制度のことである。

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白色申告って何?

白色申告とは、青色申告で受けられる優遇措置が受けられない代わりに、青色申告よりも提出する書類が少なく、複雑な手続きを必要としない制度のことである。

白色申告とは、青色申告で受けられる優遇措置が受けられない代わりに、青色申告よりも提出する書類が少なく、複雑な手続きを必要としない制度のことである。

Q


青色申告と白色申告、メリットが大きいのはどっち?

青色申告は特別控除を受けられるなどのメリットがあるが、同時に複雑な手間を要する。もっとも、特別控除以外にも損失を繰り越すことができるなど、事業を行っている者にとっては有利な点が複数あるため、青色申告のほうがメリットが大きいと言えるだろう。

青色申告は特別控除を受けられるなどのメリットがあるが、同時に複雑な手間を要する。もっとも、特別控除以外にも損失を繰り越すことができるなど、事業を行っている者にとっては有利な点が複数あるため、青色申告のほうがメリットが大きいと言えるだろう。

確定申告で青色申告を選ぶメリットとデメリット

事業所得や不動産所得、山林所得などがある人が手続きを行えば、青色申告の対象者となるが、具体的にどんなメリットがあるのだろうか。また青色申告の手続きについても解説する。

●青色申告は65万円の特別控除が受けられる

青色申告を行うことの大きなメリットの1つが特別控除だ。控除額が大きくなると所得税の課税対象額が少なくなり、所得税の節税につながる。65万円もの大きな控除を受けられるため、この制度を利用する人が多いのである。

表1 所得税の速算表

 課税される所得金額  税率  控除額
 1,000円から194万9000円まで  5%  0円
 195万円から329万9000円まで  10%  9万7500円
 330万円から694万9000円まで  20%  42万7500円
 695万円から899万9000円まで  23%  63万6000円
 900万円から1799万9000円まで  33%  153万6000円
 1800万円から3999万9000円まで  40%  279万6000円
 4000万円以上  45%  479万6000円

国税庁ホームページ「No.2260 所得税の税率」(2020年12月5日閲覧)より引用

表1の課税所得金額を求める計算式は「収入-経費-特別控除=課税所得」であり、所得税の計算式は「(課税所得×税率)-所得控除=所得税」となるため、収入額が大きくても特別控除などの控除額が大きければ所得税を抑えることができる。

例えば事業所得の収入が500万円、経費が150万円の人が青色申告を行うと仮定すると、その人の所得税の計算は以下のようになる。

500万円(収入)-150万円(経費)-65万円(特別控除)=285万円(課税所得)

{285万円(課税所得)×10%(税率)}-9万7500円(所得控除)=18万7500円(所得税)

一方、青色申告の手続きを忘れるなど、青色申告を行わなかった場合の所得税は以下のようになる。

500万円(収入)-150万円(経費)=350万円(課税所得)

{350万円(課税所得)×20%(税率)}-42万7500円(所得控除)=27万2500円(所得税)

以上の所得税の差額を求めると、27万2500円-18万7500円=8万5000円となるため、特別控除を受けないでいると、8万5000円もの差が生まれる。

また特別控除の金額は確定申告の際の手続きや記帳方法でも異なる。65万円の特別控除を受けるには、複式簿記による帳簿および貸借対照表と損益計算書を、確定申告書と同時に提出しなければならない。しかしそれだけでは控除額は最高55万円となる。特別控除額を65万円にするためには、複式簿記の記帳を行ったうえで、それらを電子申告しなければならない。

ちなみに青色申告で、複式簿記ほど複雑ではなく提出書類も少なく済む簡易簿記を行った場合も、特別控除が受けられる。しかし簡易簿記による青色申告の場合、特別控除は最大10万円である。

青色申告の対象になっているが、複式簿記のような複雑な手続きを行うことが難しいという人は、簡易簿記による青色申告を行うことで、65万円まではいかずとも、10万円の特別控除を受けることができる。

●青色申告は赤字を3年間繰り越すことができる

赤字を繰り越すことができるというのは、損失申告を行うことで、翌年度以降の黒字によって発生する所得税を抑えられるということだ。

例えば2019年に300万円の赤字が出たとすると、2019年の所得税は0円となる。その翌年の2020年に100万円の黒字が出ると、その分の所得税が発生する。しかし、経済状況を通してみると、赤字であるにもかかわらず、所得税納税の義務が発生してしまう。

このような状況で使えるのが損失申告である。損失申告を行うと、最長で3年間赤字を繰り越すことができるのだ。これにより、事業の都合上赤字と黒字が順に訪れるような事業形態の人でも、高額な所得税の負担を抑えられるようになる。

注意が必要なのは、損失申告はあらゆる赤字を繰り越せるわけではないことだ。損失申告の対象は事業所得や不動産所得、山林所得、そして譲渡所得の4つの損益計算における赤字などに限られる。このほかの所得に関する赤字は繰り越すことができず、3年を過ぎた赤字も繰り越すことができなくなる。

損失申告は青色申告でないと行うことができず、白色申告を行った翌年度に青色申告を行ったとしても、赤字が発生した年度に青色申告を行っていないと赤字の繰り越しにはならないため、定期的に赤字が発生する事業は毎年青色申告を行うよう心がけよう。

●青色申告は家族への給与が全額必要経費になる

生計が同じ家族への給料は「専従者給与」という通常の給与とは異なる扱いとなるため、確定申告の際に経費として計上されることはない。しかし生計が同一の親族で、なおかつ当年度の12月31日時点で15歳以上であり、1年間に半年以上仕事に従事している条件を満たした家族に対する「専従者給与」であれば、青色申告で経費として認められる。

白色申告の場合、給与の全額が経費として認められることはないが、代わりに「専従者控除」という控除が受けられる。だが専従者控除は配偶者でも最大86万円、それ以外の親族は最大50万円と限度額が決められており、金額によっては青色申告の専従者給与よりも恩恵がずっと少ない結果となることもある。

注意すべき点は、専従者給与を経費として計上するには前もって「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出しておく必要がある点だ。また専従者という名称のとおり、専従者給与の対象者はその仕事にのみ専従する必要があるため、届出書を出した時点でほかに仕事をしていないか確認される。その際、ほかの仕事でも給与を得ていることがわかれば、その人に対する給与は専従者給与とみなされないため経費に含まれなくなる。

●青色申告は30万円未満の固定資産が全額経費になる

通常10万円以上の高額なものや1年以上にわたって使うものは、使用期間に応じて減価償却を行い少しずつ費用に計上していく。しかし青色申告では30万円未満のものはすべて一括で費用として計上することができる。これを「少額減価償却資産の特例」という。

通常の減価償却のように何年かにわたって費用計上するのではなく、1度にまとめて経費として処理できるため、その金額分所得税の節税につながるメリットもある。

しかし同時に少額減価償却資産として認められるのは1年につき300万円までと決められているため、30万円未満の資産や備品をすべて費用計上できるわけではない点に注意が必要だ。

●青色申告は自宅などの経費が一部事業の費用になる

フリーランサーや個人事業主など主に自宅を職場として働いている人は、全額ではないが家賃や水道光熱費、インターネット通信料など生活費の一部を経費として計上することができる。

その際、生活費の何割が経費として認められるのかというと、家賃であれば職場として使用している空間分、電気代や通信量であれば月ごとの仕事時間分と、仕事に費やしている費用分のみが経費として認められる。

こういった私生活にもかかわっている生活費が経費として認められるのは青色申告の特徴の1つだが、白色申告でも生活費の一部を経費計上することはできる。しかし、白色申告の場合は、各費用の割合のうち仕事が半分以上を占めるものしか計上できない。

●青色申告は記帳が難しい

当年度の3月15日までに青色申告承認申請手続を行い、承認を受けることができれば青色申告の対象者となる。その後、青色申告のメリットを最大限に活用するためには、複式簿記という難しい記帳方法による帳簿を提出しなければならない。

最大65万円の特別控除を受けるために必要な手続きだが、特別控除の金額を重要視していなければ、複式簿記ほど難しくはない簡易簿記で済ませることもできる。

なお、複式簿記ではなく簡易簿記を採用し、特別控除を10万円しか受けられないという場合でも、赤字の繰り越しや専従者給与などのほかの恩恵は受けることができる。

確定申告で白色申告を選ぶメリットとデメリット

白色申告は青色申告の申請を出していないか、対象外の人全員が選択する確定申告方法だ。具体的なメリット・デメリットを解説していこう。

●白色申告は記帳が簡単で手続きがシンプル

白色申告を行うにあたって必要な書類は、確定申告書B、収支内訳書、各種控除に関する書類の3点である。青色申告だと総勘定元帳や出納帳などほかにも多くの書類が必要となり、白色申告の必要書類がいかに少ないかがわかるだろう。

しかし、白色申告において記帳が必要なのは収支内訳書のみであるとはいえ、2014年からは収入金額にかかわらず全員が記帳をしなければならなくなり、同時に帳簿の保存義務などもできたため、一概に白色申告が楽だとも言えなくなってきている。

事前申請の必要があり、提出書類の数も多い青色申告に比べると白色申告はシンプルと言えるが、特別控除額が10万円の青色申告であれば、手続きの難しさやかかる時間はさほど変わらなくなってきている。

●白色申告は特別控除を受けることができない

青色申告と違い、白色申告では特別控除を受けることはできない。前述したように、所得税額に大きく影響する特別控除を受けられないと、所得税額はどうしても大きくなってしまう。

特別控除が10万円となるが、簡易簿記でも青色申告を行うことができるため、自ら白色申告の手続きを行えるだけの知識があれば、簡易簿記で青色申告の手続きに挑戦してもいいだろう。

●白色申告は赤字を3年間繰り越すことができない

特別控除と同じく、白色申告では赤字の繰越制度も利用できない。職業柄、赤字の年と黒字の年が定期的に入れ替わる仕事なら、赤字の繰越制度はぜひとも利用したい制度である。

赤字と黒字の入れ替わりが続き、継続的な利益が少ない、あるいは総合的には赤字だったとしても、黒字の年の所得だけを基準にして所得税を課されることになるからだ。

確定申告で青色申告と白色申告を切り替える方法は?

青色申告から白色申告、またその逆へと切り替える際に必要な手続きをそれぞれ解説する。

●青色申告から白色申告に切り替える方法

青色申告を受けるためには、所得が事業所得か不動産所得、山林所得であるなどの条件を満たしたうえで申請をする必要がある。逆に何もしなければ自動的に白色申告に戻るわけではない。白色申告から青色申告に切り替えるときと同様に、書類の申請手続きが必要になる。

青色申告をやめて白色申告にするのであれば、白色申告の確定申告を行おうとしている年の翌年の3月15日までに「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を提出しなければならない。

●白色申告から青色申告に切り替える方法

同様に白色申告から青色申告に切り替えるのであれば、「所得税の青色申告承認申請書」という書類を翌年の3月15日までに提出する必要がある。青色申告をやめて白色申告に戻すのとは異なり、青色申告へ切り替える際は、所得が事業所得か不動産所得、山林所得でなければならない。

青色申告の承認取消を受けるか、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」の提出後1年以内の申請ではないことなどを審査されるため、青色申告から白色申告に戻すより時間も手間もかかるため、注意が必要である。

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