世界のビリオネアの総資産、過去最高の約1,060兆円に!コロナ禍バブルの対応策とは?

世界のビリオネアの総資産、過去最高の約1,060兆円に!コロナ禍バブルの対応策とは?

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コロナ禍で消費者の生活スタイルや価値観に現れた変化は、富裕層にも広がっている。コロナショックによる資産バブルへの懸念が高まる中、富裕層の資産運用に対する意識の変化やバブルリスク回避策についても見てみよう。

世界のビリオネアの総資産 過去最高の約1,060兆円に

世界のビリオネアの総資産、過去最高の約1,060兆円に!コロナ禍バブルの対応策とは?

(画像=xjrshimada/stock.adobe.com)

「リーマンショックを超える打撃」と懸念されているコロナショックをものともせず、世界のビリオネア(純資産10億ドル/約1,040億204万円以上)の総資産は増え続けている。スイスの大手銀行UBSの調査によると、ビリオネア2,189人の総資産は株価高などの恩恵を受け、2020年7月末に史上最高額の10.2兆ドル(約1,060兆5,582億円)に達した。

現時点においては、コロナ禍による日本の富裕層の資産状況への影響は不透明だが、少なくとも個人の資産運用・管理や価値観に影響を与えたことは、野村総合研究所の調査で明らかになっている。

調査の対象となった、富裕層(世帯の純金融産1億円以上5億円未満)・超富裕層5億円以上)に属する企業経営者は、「個人資産より所有する事業や法人の先行きが、以前より心配になった(53%)」「複雑でわかりにくい商品よりも、シンプルでわかりやすい商品を好むようになった(50%)」「元本割れする可能性のある金融商品のリスクを、以前よりも気にするようになった(46%)」と回答した。昨今の傾向として攻めるよりも守りの資産運用アプローチへ移行していることが分かる。

生活や価値観の変化に関しては、「健康や体力増進に関する意識が強まった(62%)」「家族との会話やコミュニケーションが増えた(51%)」「本を読む時間が増えた(47%)」と答えるなど、プライベートな時間の過ごし方や周囲とのコミュニケーションへの関心が高まっているようだ。

コロナ禍の資産にバブルの懸念があり 

富裕層にとって、資産運用をめぐる懸念材料の一つがコロナ禍の資産バブルである。金融バブルは通常、経済が悪化した情勢で資産価値が急激に上昇する状況で発生する。コロナの経済的ショックを緩和する意図で、世界中で大規模な金融緩和政策や緊急経済対策が講じられた結果、市場に大量の資金が流入した。つまり現在の世界経済は、まさしくバブル発生のリスクと隣り合わせということになる。

たとえば、コロナショックで2020年2~3月にわたり大荒れとなった米株式市場は、その後急速に回復し、2021年1月中旬にはドットコム・バブル(1990年代の半ば以降、米国を中心にIT関連企業の株価急騰、上場ラッシュが続いた。2000年3月をピークに崩壊し、多数の企業が破綻した)当時に並ぶ割高を更新している。

G20国中、最大の景気支援策を講じた日本は、2020年10月の時点で国内総生産(GDP)の約21.1%に相当する約117.1兆円を投入。資産買い取り枠の拡大などで、12月には日本銀行の純資産が前年から23%増の702兆円に膨張した。同様の傾向は、欧米でも見られる。

バルブリスク回避としての投資 耐性のある資産とは?

バブルリスクの懸念が高まる中、すでに一部の富裕層はバルブリスク回避策として、以下のような金融商品に資産を移動させている傾向がみられる。

1 ゴールド(金)

経済状況やインフレへの耐久性、市場規模の大きさから、長年にわたり「安全資産」の地位を確立しているゴールドだが、実際には市場のボラティリティーに影響を受ける「リスク資産」の特質ももつ。コロナ禍では景気後退への懸念から価格が高騰し、8月には1オンス2,000ドル(約21万円)を上回った。コロナワクチンの早期実用化が報じられた11月下旬には、投資家間で安全資産離れが加速し、1,700ドル(約18万円)台まで急落した。

しかし、モルガン・スタンレーのチーフ・インベストメント・オフィサー、リサ・シャレット氏など一部の専門家は、「通貨供給量の拡大や米連邦準備制度理事会(FRB)による無制限の量的緩和が、いずれ世界の基軸通貨であるドルの通貨価値を下落させる」「ドルの下落により、投資家が再びゴールドに殺到する」と予想している。また、ロイターが取材を行った大手プライベートバンク9行は、ゴールドのポートフォリオを占める割合を増やすよう、顧客にアドバイスしているという。

2 不動産

第一波時のロックダウン中に低迷した不動産市場も、その後は好調な回復を示している。90年代後半のバブル崩壊や2000年代前半の金融危機時には、多数の負債者が所有物件を手放したが、コロナ禍では返済が困難な消費者のために、支払い延期や減額措置が各国で設けられている。休業補償制度の延長なども後押しとなり、不動産市場への影響は最低限に抑制されているようだ。

興味深いのは、コロナ終焉後もリモートワークが定着すると予想される現在、富裕層投資家の関心は、都心の高級住宅からオフィスやプールが付いた郊外の高級住宅へと移行している点だ。既存のオフィスでは、ソーシャルディスタンスが維持できないという理由から、同様の傾向が商業用物件にも見られるという。

3 コレクタブル

アートやクラッシックカー、宝石などの高額資産も、収集する楽しみを兼ねた長期投資商品として、根強い人気を維持している。特にアートは自宅で過ごす時間が増えたこと理由に、富裕層間で関心が高まっていることが、世界最大級の現代アートフェアー、アートバーゼルとUBSの共同調査で明らかになっている。

4 仮想通貨

ビットコインを始めとする仮想通貨の価格が急騰したことも、コロナ禍で見られる現象の一つだ。2020年8月にはビットコインは1枚当たり3万8,438ドル(約399万円)の値を付け、過去1年間で3.4倍に値上がりしている。また、JPモルガンチェースのアナリストによると、ゴールド関連のファンドからビットコイン関連ファンドへと資金を移動させる投資家が増えているという。

供給量に上限があることや価値が不変であるなど、ゴールドとの類似点から「デジタルゴールド」と呼ばれることもあるビットコインだが、仮想通貨は歴史と実績の浅い分野であるだけに、より慎重な投資判断が求められる。

リスク回避できる金融商品へシフト

コロナを機に生じたさまざまな変化により、富裕層の資産状況や運用・管理、価値観などが、この先さらにどのように変わって行くのか?極めて興味深い。そして、このような変化が市場や経済に大きな影響を与えると予想されることから、今後の動向に注視する必要があるだろう。

文・BUSINESS OWNER LOUNGE編集部

(提供:BUSINESS OWNER LOUNGE

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