日本の街もヨーロッパのように変貌?ウォーカブル推進プログラムとは?

日本の街もヨーロッパのように変貌?ウォーカブル推進プログラムとは?

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新型コロナウイルス感染拡大による、影響で人通りが少なくなってしまった通りも多いのではないでしょうか。

2020年3月30日国土交通省によるストリートデザインガイドラインが公開され「まちなかウォーカブル推進プログラム」が推し進められています。

本稿では、ストリートデザインガイドラインやウォーカブル推進プログラムの概要に加え、新型コロナウイルス感染拡大を受けて実施された路占用許可基準の緩和措置についても紹介します。

国土交通省が公表している公的な情報をもとに説明しますので、ぜひ参考にしてください。

国土交通省が公開した「ストリートデザインガイドライン」

ヨーロッパ

(画像=xbrchx/stock.adobe.com)

ストリートデザインガイドラインとは、街中の徒歩圏を対象に、官民一体となり歩行者優先のウォーカブルな空間を形作ることを目的として発表された、街づくりのための施策案です。

ガイドラインではストリートのみではなく、道路沿いにある店舗や公園なども一つの空間として捉えられており、道路の広さやデザインにより柔軟な施策を行い、街中に居心地のいい共同空間を作ることを目指しています。

国土交通省によると、ストリートを車中心から人中心に変えていくことのメリットとしては以下の通りです。

  • 人々にとって安全快適な空間を確保できる
  • 車両走行による騒音や振動が解消されることで快適な空間づくりができる

かつて、物をより速く、効率良く運ぶために整備された道路を歩行者中心に整備することで「地域に対する市民の評価の上昇」「売上の上昇」「地域の安全性の向上」などが期待されています。

政府はストリートを車主体から歩行者主体に転換させた施策の成功事例として、ニューヨークのタイムズスクエアを挙げつつ、街中にウォーカブルな空間を作り出すことは重要な施策要素であると述べています。

政府による「まちなかウォーカブル推進プログラム」の10の施策

政府は歩行者主体のストリートをデザインするため、「まちなかウォーカブル推進プログラム」と仮で名付けられた推進案を発表しています。

政府の発表によると現在想定されている施策は以下の10通りとなります。

<まちなかウォーカブル推進プログラム(仮称)の取組案>
(1)人中心のまちなかへの修復・改変(リノベーション)
(2)まちなか空間の多様な利活用の促進
(3)オープンイノベーション、イノベーション・エコシステムの形成
(4)オンリーワン都市再生の推進
(5)官民プラットフォーム等の育成・充実
(6)多様な資金の循環の促進
(7)全国ネットワークの形成
(8)老朽化・陳腐化した市街地再生の検討
(9)芝生のチカラの活用
(10)ウォーカブル・シティの形成

上記の取組の(1)から(6)までは民間事業者や市町村の施策を国がサポートするもので、(7)から(10)においては国が主体的に主導していく必要があると述べています。

政府としては、上記の10の施策を早急に実施し、地方公共団体や街づくり関係者が連携を取ることで、全国的に「居心地が良く歩きたくなるまちなか」を創出することによる、地域活性が必要であると考えている様です。

そして、政府はストリートを人中心に活用するための重要な要素のひとつとして、道路占用許可基準の柔軟な使用も必要であると考えており、奇しくも新型コロナウイルスの感染拡大と重なり、道路占用許可基準の緩和が推し進められました。

道路占用許可基準の緩和措置とは

道路占用許可基準については以前より弾力化が図られていて、2011年の都市再生特別措置法の改正により、一度基準が緩和されました。

そして、前述のように新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたことにより、国土交通省により更なる緩和措置が発表されたのです。

そもそも、道路占用許可基準とは、道路に公衆電話や電柱を設置するなどの占有を行う場合に申請する必要のある手続きで、占用者が道路を管理している道路管理者に対して行います。

今回の道路占用許可基準の緩和措置では、新型コロナウイルスで売上が下がった飲食店などに対する救済措置として、テイクアウトやテラス営業のための路上占用を認める方向で、基準が緩められました。

国土交通省の発表によると、今回の規制緩和のポイントは以下のようになります。

①:新型コロナウイルス感染症対策のための暫定的な営業であること
②:「3密」の回避や「新しい生活様式」の定着に対応すること
③:テイクアウト、テラス営業等のための仮設施設の設置であること
④:施設付近の清掃等に協力いただけること

ただし、主体となるのは政府ではなく、地方共同団体または関係団体です。各都道府県ではこの国土交通省の発表を基準として、飲食店の路上における営業の占有条件等の緩和措置を緩和措置を採っている行政が多くあります。

緩和条件についても国土交通省の発表内容に即したものであり、東京都などでは沿道だけでなく、都道や臨港なども対象となっています。

従来発生していた占用料については無料となり、この緩和措置の開催期間は本稿を執筆している2020年10月の時点では同年11月30日までとのことです。

道路占用許可基準の緩和措置で重要となるポイント

国土交通省が発表している資料を参照すると、今回の道路占用許可基準の緩和措置では以下の2点が重要なポイントとして取り上げられています

  • 歩行者等の安全な通行空間が確保されていること
  • 地域の実情に応じた取組が可能であること

また、対象となる店舗は、沿道にある飲食店のみではなく「物品を販売するお店」「建物の2階以上や地下などにあるお店」も緩和措置を受けることができ、沿道まで出て営業を行うことが可能とされています。

場所自体も、必ずしも沿道である必要はなく、警察による交通規制などは必要であるものの、安全な空間さえ確保できれば車道などでも営業可能であるとのことです。

国土交通省は、今回の緩和措置を成功させるために、道路管理者による緊急措置の導入、占用主体者を中心とする各関係各所の協力体制が必要不可欠であると言っています。

2020年6月17日の国土交通省の発表を参照すると、その時点で緩和措置の導入が確認されたのは以下の10都道県6市町村となります。

<緩和装置導入が確認された地域>
北海道、福島県、茨城県、東京都、滋賀県、
三重県、山口県、福岡県、宮崎県、熊本県、
宮城県仙台市、熊本県熊本市、茨城県つくば市、
富山県富山市、香川県土庄町、沖縄県那覇市

今回の緩和措置を利用した新たな業務体系の導入事例としては「自治体主導型」「民間主導型」の2パターンが確認されており、店先にテーブルや椅子を置いたテラス運営を行う店舗が多く存在します。

テラス運営は、机と椅子を新たに用意するだけで行えるので、導入費用や人件費も安く抑えられ、さらに新型コロナウイルス感染症対策のために減らされた席数もカバーできるため、費用対効果が良いのでしょう。

なお、12月1日以降の道路占用許可基準の緩和についてですが、これについては国土交通省による正式な発表は現時点ではなく、コロナウイルスの状況や11月30日までの取組に大きな問題がなかったかどうかを踏まえ再度検討するとされています。

安心して歩ける街路は、沿道の売り上げ増や地価アップにも貢献する

新型コロナウイルスの感染拡大は、車中心から歩行者優先のストリートデザインを創出していきたい政府の思惑とは裏腹に、日本各地の通りから活気を奪いました。

しかしながら、道路占用許可基準の緩和などにも見られるように、感染症対策も踏まえつつストリートに活気を取り戻すための施策は打ち出されています。

人々が安心かつ快適に歩けるストリート空間の実現は、地域の活性化や周辺店舗の売上アップにも繋がるため、意義深い試みの一つであると言えるのではないでしょうか。(提供:Dear Reicious Online

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