「ものづくり立県」を産官学で実現する広島県のオープンイノベーション

「ものづくり立県」を産官学で実現する広島県のオープンイノベーション

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(画像=eiicon lab)

オープンイノベーションを実践する地域の取り組みを紹介する企画「CLOSEUP OI」。今回は、ものづくりが活発な広島県を取り上げます。

造船・鉄鋼・自動車などの重工業と,電気機械・電子部品などの先端産業が共存する広島県の製造品出荷額等は、中国・四国・九州地方で13年連続して1位となっていて、まさに西日本を代表するものづくり地域と言えます。

自動車メーカーのマツダや、「洋服の青山」や「THE SUITS COMPANY」でおなじみの青山商事も広島県が輩出した大企業です。

そんな広島県が、どのようにオープンイノベーションに取り組んでいるのか、様々なプロジェクトを紹介していきます。

関連ページ:広島県の産業・企業情報

ものづくり立県の中心地、「広島中央サイエンスパーク」

広島県は「ものづくり立県」の実現にむけて、イノベーションの基盤を整えています。企業の創業や新規事業の支援を産学連携で強化しており、ものづくり分野だけでなく成長産業でのイノベーションを作り出すためのコミュニティを形成しています。

窓口として、広島県は「ひろしま創業サポートセンター」を設置していて、平成25年4月からの4年間の創業支援によって1398件の創業をサポートしてきた実績があります。

さらに広島県は、研究・開発力を強化してオープンイノベーションを促進するための取り組みとして、産・学・官の研究開発機関と最先端のテクノロジーが結集する「広島中央サイエンスパーク」を運営しています。

広島中央サイエンスパークは広島大学に隣接した場所に設立された11の施設から組成されています。「広島大学産学・地域連携センター」や「広島大学イノベーションプラザ」といった施設が軒を連ねていて、オープンイノベーションを推進する企業に手厚いサポートが用意されているのです。

参考ページ:オープン・イノベーション – 企業のための広島県ガイド

広島県が運営するインキュベーション施設「イノベーション・ハブ・ひろしまCamps」

「イノベーション・ハブ・ひろしまCamps(キャンプス)」は新規事業や創業のイノベーション拠点として設立されたインキュベーション施設です。

運営は広島県が担っており、スタッフとして監査法人トーマツのコーディネータをはじめ、コミュニティマネージャー、創業経験を持つアドバイザーが駐在しています。

ワークショップやセミナーを開催できるスペースはもちろん、3Dプリンタやレーザーカッターを利用できるFabスペースがあるのも、ものづくりが浸透している広島県らしいですね。

参考ページ:Camps – Innovation Hub HIROSHIMA

三位一体のOIプログラム「ひろしまビジネス実験部」

技術力を持つ中小企業のためのオープンイノベーションプログラムが「ひろしまビジネス実験部」です。

高い技術を持った中小企業を募り集合知を形成し、インキュベーション企業のGOB Incubation Partners、そして広島大学が三位一体となって確度の高い新規事業の創出を目指します。

テーマは「ヘルスケア」「防災・減災」「インバウンド」「働き方」「地産地消」の5つ。プランを立てて、ビジネスモデルを最適化し、デモデイを経て、事業化の可否を決定するのがプログラムの一連の流れです。

参考ページ:ひろしまビジネス実験部

広島大学の財政基盤強化としての「オープンイノベーション事業本部」

広島大学は学長直轄となる組織「オープンイノベーション事業本部」を2019年10月に設置しました。

組織設置の目的はふたつあって、ひとつは企業との大型共同研究を連続的に組成して集中したマネジメント行うこと。そしてもうひとつは広島大学の「財政基盤の強化」、つまり大型の共同研究案件を獲得することで資金を確保し、循環させていく狙いがあります。

オープンイノベーションに産学連携は必要ですが、広島大学は学内の研究を推進するだけでなく、財政面におけるプロフィットセンターとしての役割もオープンイノベーション事業本部に持たせているのです。

参考ページ:企業との大型共同研究を連続的に組成し、集中的なマネジメントを行う組織「広島大学 オープンイノベーション事業本部」を設置いたしました

【編集後記】産官学すべてが目標達成に向かう仕組みづくり

オープンイノベーションが成功すれば、企業が潤うのは当然ですが、自治体や教育機関も同じようにメリットを受ける必要があります。

広島県の取り組みは、企業がチャンスを得るだけでなく、県みずからがインキュベーション施設を運営したり、広島大学が財政基盤強化を目的にしてオープンイノベーションに参加するなど、「三方良し」をしっかりと見据えた施策を打っていることが印象的でした。

さて、次回の「CLOSEUP OI」は市と三井不動産などがコアメンバーとなり設立された「イノベーションフィールド柏の葉」が注目を集めている、千葉県柏市の取り組みを追いかけます。

(eiicon編集部)

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