1棟物物件が相続税対策になる仕組み【その1】

1棟物物件が相続税対策になる仕組み【その1】

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地主の人が、相続対策として遊休地にアパートを建てて賃貸経営をするようハウスメーカーなどから勧められることがあります。なぜ、それが相続税対策になるのでしょうか。その仕組みを理解しておかないと、業者の言いなりになってしまう可能性があります。まずは、基本的な事項をしっかり押さえておきましょう。

自用地とは

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(画像=Africa Studio/Shutterstock.com)

自ら使用する目的で所有している土地を、「自用地」と呼びます。相続が発生した場合は、自用地評価で計算します。自用地評価は、以下の順で進められます。

1 利用単位の確定
2 地積の確定
3 路線価の確定
4 地区区分の確定
5 各種調整率の確定
6 最終的自用地評価額の決定

1 利用単位の確定
土地は宅地、田、畑、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地、雑種地の9種類の区分に分けられ、評価されます。ここでは、宅地を中心に話を進めていきます。宅地は、1区画ごとに評価します。一筆をいくつかの目的で利用している場合や、二筆を1つのものとして利用している場合は、現況に応じて評価します。

2 地積の確定
土地の大きさを確定します。実務上、公簿面積と実際の大きさが異なることはよくあります。その場合は、測量士による実測が必要になります。

3 路線価の確定
宅地の評価は、それが市街地にある場合は路線価方式で、それ以外の地域にある場合は倍率方式で計算し、評価します。どちらの方法も国税庁のHPで確認できます。路線価とは、宅地の評価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している道路に評価額が設定され、1平方メートル当たりの金額(千円単位)が記載されています。

4 地区区分の確定
ビル街地区、高度商業地区、繁華街地区、普通商業・併用地区、普通住宅地区、中小工業地区、大工場地区などに分類されます。

5 各種調整率の確定
ここが、税理士の腕の見せ所です。奥行価格補正や広大地評価などのマイナス要素を見つけ出し、いかに土地の評価を下げるかがポイントになるからです。

6 自用地評価の決定
最後に土地の相続税評価額を算出します。代表的な宅地の、路線価方式による形態別評価額の計算方法は、以下の通りです。

A) 1つの道路だけに面している土地 (200平方メートル、路線価600Cの場合)
路線価×奥行価格補正率=60万円×0.97(奥行価格補正率)=58万2,000円
評価額=58万2,000円×200平方メートル=1億1,640万円

B) 角地 (200平方メートル、正面路線価600C、側方路線価500Cの場合)
評価額=(正面路線価×奥行価格補正率+側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)×地積
=(60万円×0.91(奥行価格補正率)+50万円×0.98(奥行価格補正率)×0.03(側方路線影響価格))×200平方メートル=1億1,214万円

(奥行価格補正率の詳細については割愛)

自用家屋の評価

自用家屋の評価額は「固定資産税評価額×1.0」、すなわちすでに自宅として所有し、それに課税されている固定資産税が相続税上の建物の評価額です。

一般的に、自治体による建築確認を伴うような増改築がなされた場合は、固定資産課税台帳が改定されます。しかし、数百万円する高価なシステムキッチンを新たに導入しても、固定資産税課税台帳は改定されません。

この仕組みを利用し、被相続人がお金を出してシステムキッチンなどを導入すると、現金が設備に変わるため、将来の相続財産が圧縮されます。

システムキッチンのほか、雨とい改修や外壁塗装、内装のやり直し、痛みの激しい水回りの改修などにお金を使うことは、相続税対策として有効です。

今回は、土地を自宅として利用する場合の基本的な相続税評価額の計算方法を説明しました。

これを踏まえて、次回は遊休地にアパートを建てて賃貸経営する場合の計算方法を見ていきましょう。(提供:YANUSY

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